シーバー病
シーバー病とは?(踵骨骨端症)
10歳前後の男児に多くみられるスポーツ障害の一種で、繰り返す走る動作やジャンプ動作によって踵の骨に負担がかかり、炎症を起こすものです。
初期では安静にしていれば痛みが治るものもありますが、痛みが長期に渡り続いてると歩くだけでも痛みが発生し日常生活に支障をきたす場合もあります。
スポーツを休んで安静にしてても、一時的に痛みは引くものの、運動を再開すると痛みがすぐに再発し、それを繰り返して困っている方も多いようです。
しかし、しっかり対処すれば早期回復、競技への早期復帰が期待出来ます!
特徴
多くの場合で痛みは踵の骨の後部に感じます。
運動後に痛みを感じたり、歩行時の痛み、踵の骨を押すと痛み(圧痛)を感じます。
初期では痛みがすぐに引いてしまったり、特に赤く腫れたりという事もないのでそのままにしてしまいがちですが、重症になると赤く腫れたりする事もあります。
踵を着くと痛みが出る為につま先歩きになる事もありますが、つま先で歩くような歩き方をしていたら痛みが強い証拠でもありますので、要注意です。
シーバー病の原因は?
シーバー病の主な原因として、成長期の完成していない柔らかい骨と筋肉のバランスが関係し、このバランスが崩れることで踵の骨に炎症を起こしてしまいます。
発育期の子供の骨には、成長軟骨(骨端軟骨)というものがあり、この軟骨部分が成長する事で骨が大きくなります。しかし、軟骨なので硬い骨に比べると柔らかい組織ですので強くはありません。
シーバー病ではこの軟骨部分に負担がかかり炎症を起こして痛みを発生させます。
運動時の走る、ジャンプなどによる衝撃も負担となりますが、踵骨の骨端部には、足底筋という足の裏にある筋肉や、ふくらはぎの筋肉がアキレス腱となって付いてます。これらの筋肉によって踵骨の骨端部分を引っ張る力が持続的に加わる事で成長軟骨に炎症が起こります。
筋肉によって引っ張られる力に耐えられなくなってしまうと、骨が分離(剥離)してしまう事もあるので注意が必要です。
筋肉の硬さが原因?
先に述べたように、踵骨の骨端にはアキレス腱と足底筋が付いています。それらの筋肉が硬くなって縮こまってしまい、骨を引っ張ってしまう為炎症が起きてしまいます。
これらの筋肉が硬くなる原因は様々ですが、運動時に負担となる動作としてジャンプ動作、急なストップやターン、ダッシュなどがあり、これを繰り返す事で筋肉には負担がかかります。
競技によっては、身体の使い方に偏りが出て片方だけに負担がかかる事もあります。
では、それらの筋肉の緊張をとって柔軟性を高めておけば、骨は引っ張られなくなり、負担がへって炎症は治るのか??というと、残念ながらそれだけではありません。
筋肉の状態も大切ですが、歩き方もとても重要になってきます。
ドンドン歩きは今すぐやめる!
家の中などで、お子さんはドンッドンッと大きな音を立てて歩いていないでしょうか?
そういう場合のほとんどは、踵から勢いよく足をついて歩いている状態です。
これでは歩いているだけでも必要以上に踵の骨に負担がかかってしまう為、筋肉に骨が引っ張られていない状態でも負担が軽減されません。
ドンッドンッと音を立てて歩いてしまうのは、身体の前後のバランスが崩れている場合が多いですが、まずは音を立てないように、静かに歩く事を意識させてあげてください。
【身体の使い方】に着目する
足裏やふくらはぎの筋肉が緊張して硬くなってしまう原因は、単に運動のし過ぎによるものだけではありません。筋肉を柔らかくしてもすぐに硬くなってしまうのは、スポーツ時の動きが、その筋肉に負担のかかりやすい動作になっていることが考えられます。
ふくらはぎの筋肉は、踵をあげる動作や膝を曲げる動作にも使われますが、基本的に歩くという動作で常に働いています。膝の動きが悪ければ当然必要以上に使わなくてはなりませんし、膝を動かすには股関節なども連動して多くの場所が動いています。正しく動けていないとそれだけでも筋肉にかかる負担は増えてしまいますし、その状態で激しい運動を行えば、更に負担がますことは言うまでもありません。
シーバー病で困っているお子さんの多くが、踵に体重がかかり過ぎてしまうようなバランスになっています。上記にあった音を立てて歩く事もそれとつながります。
歩くという動作も、単に足だけが動いてるわけでなく身体全身を連動させて動かすことで出きる動作です。
歩き方が悪くて痛みを出してしまっているのであれば、当然痛い患部やその周りだけに処置をしてもなかなか改善はみられません。身体全体のバランスを改善し、上半身と骨盤、下半身とがうまく連動するように正しい身体の使い方をして動くようにしてあげることが大切です。
辛い痛みを早く改善し、元気に過ごせるように
好きなスポーツに復帰出来るように
シーバー病の改善を
精一杯サポートさせていただきます。
是非一度、ご相談下さい。